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英国とヨーロッパの バイオテクノロジーネットワークへのアクセス


外部研究機関を活用したより強力なパイプラインの構築

製薬会社やヘルスケア会社は、近年自社の開発パイプラインを補強するため、あるいは製品の品揃えを増やすために外部との提携に強く依存するようになった。

製薬会社においては商業利益面から後期臨床開発段階(後期第Ⅱ相あるいは第Ⅲ相)でのパートナリングは既に一般化され、近年ではより早い段階(前臨床あるいはリードオプティマイゼーション段階)での開発品目を導入することにより自社のパイプラインの強化を図り開発におけるリスクの低減と開発経費の削減に取り組み始めている。

同様に、ヘルスケア会社においても革新的な医療機器やヘルスケア商品を規模の小さいバイオテクノロジー会社から早い段階で導入することにより、新製品の開発が自社開発品に比べコスト優位性があると理解され積極的に行われるようになった。

このような戦略を取り入れたい日本の製薬会社にとっては、バイオテクノロジー分野での革新的でかつトランスレーショナルリサーチに強い海外に目を向けることになる。

英国とヨーロッパ バイオテック、大学と研究機関

ヨーロッパはバイオテック業界において長い歴史があります。

英国はこの分野でのリーダーであり、そのバイオテックセクターは、実績のある大学や寄付により設立された研究機関です。これらの多くの研究機関は、トランスレーショナルリサーチを牽引し、革新的な先端技術と複雑な開発段階の隙間を埋めている。 一部ですが、下記のように英国事情の例を載せさせていただいております。

バイオテック
近年ではバイオテック企業であるドマンティス社(Domantis;MRCからのスピンアウト domain antibodies) とピラメッド社(Piramed;PI3 Kinase)がそれぞれGSK社とロッシュ社により買収された。

同様にアステックス社(Astex)は大手製薬会社と提携を行い、更に新しいヘプタレス社(Heptares;GPCRs)が設立されつつある。

ヘルスケア領域では、バースコントロール分野で事業展開するデュオフェルティリティ社 (DuoFertility)が革新的な開発を行っている。現在、イングランド、スコットランド、ウェールス、北アイルランドには数百のバイオテック企業が存在し、その多くはケンブリッジ、オクスフォード、ロンドンで囲まれた三角地帯周辺に拠点を置いている。

大学と研究機関
大学や研究機関はつねに新しい革新的な会社の芽生えを手助けしてきた。グローバルな研究開発戦略がアウトソーシング型に推移する中、経験豊富な製薬会社の研究者や開発担当者、ヘルスケア産業における発明者などは基礎研究の製品化に向けたトランスレーショナルリサーチを行う目的で企業から英国の大学や研究機関に集まって来た。これは新しく刺激的な潮流である。

最も高い売り上げを誇る片頭痛治療薬ゾルミトリプタン(zolmitriptan;Zomig®)の発明者で、現在もその発明の幾つかが臨床開発段階にあるロバートグレン教授(Prof. Robert Glen)は米国のバイオテック企業2社に勤務後ケンブリッジ大学に戻り現在同大学の理学部化学科教授の職にある。現在同氏は循環器系薬剤の創薬研究に従事している。

ダンディー大学での新しい医薬情報学部の教授はファイザー製薬に在籍していた著名な研究者のアンドリューホプキンス(Andrew Hopkins)である、彼はクリスリピンスキー(Chris Lipinski)とともに druggability に関する研究を出版したことで知られている。

なぜこれらの人々は大学に戻って来ているのでしょうか?一言でいえば、彼らが最も得意とする分野である製薬またはヘルスケアにおける研究を共同で、効率よく行い、研究開発の成果を素早く出せる環境が大学にあるからなのです。



大学との提携
更にこのような変化は大学で複雑化するトランスレーショナルリサーチ分野のコラボレーションの仕方からも窺うことができる。 ダンディー大学では、サーフィリップコーエン(Sir. Philip Cohen)により率いられているキナーゼとフォスファターゼの研究に国が1000万ポンドを投入、そのプロジェクトにはアストラゼネカ、ベーリンガーインゲルハイム、グラクソスミスクライン、メルク-セロノ、とファイザーが関与している。

同様にケンブリッジでは、英国癌研究所が新たに癌研究のための研究機関を、ケンブリッジ大学生物医学キャンパス内のアッデンブルックス病院に隣接する場所に設立し、研究内容をベンチから患者までのトランスレーションを行える体制が出来上がっている。

現在の状況
製薬会社やヘルスケア会社にとって英国で提携先を探すのにこれほど良い時は今までありませんでした。

  1. 製薬会社から来たシニアな研究者が現在教授などのポジションにつき、革新的なヘルスケアをターゲットとするプロジェクトを行っています。

  2. バイオテック企業はVCによる追加投資を受ける前の開発初期でのパートナリングを期待しています。

  3. この分野ではVCによるファンドが不足しているため、既に商業化を目指した投資を待っている革新的なプロジェクトが多数存在します。

このことにより従来の提携条件よりも良い条件で製薬会社がプロジェクトを導入する可能性が生じています